☆ハイローハート
アタシは、アタシの秘めた想いを感情的にさらすことがイヤなの

「行かない
理一に話すことなんか何もない」

「なんで」

「家に来ないで
国坂くん以外は入れないの
そう約束してるから」

「……それって、つまり、国坂のことが好きだから裏切らないって言いたいの?」


アタシはうなずいて「そう」と肯定した


理一は家に来ることを諦めたのか、今度はバッグを投げるように下に置いた

「で?」

不機嫌な声で続きを催促される

で?……って??

「チャコちゃんと仲間ってのは何?」

「わざわざ言われなくても、理一の性癖も浮気癖も知ってるから」

目と目が合う

お互い、心の内を探り合っている

「スイッチ入ると、場所も状況も考えずに、強引で容赦ないのも知ってる……
理一と初めて……したのは、理一がさやかと付き合ってる時やったし」

「みさき、あのさ」

「だから一緒やろ?」

「一緒じゃないから」

「理一がチャコって人にした事は、アタシがされたことと全部一緒
……だから仲間って思ったの
……もういい?
アタシ買い物行ってくる」

そう早口に言って背を向けた

「全然良くない」

と言われても今度こそ立ち止まらずに歩き続ける

……疲れた

心底疲れちゃった


泣かないことに、全精力を使い果たした

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