☆ハイローハート
MJは黒光りするつやつやの髪を肩から払うと

「私が占いで日頃いくらもらってると思っているの?
こんなにお気軽にメール相談なんかされちゃ商売あがったりだわ」

「じゃあ無視しなよ」

「そもそも誰の友達よ」

「理一は友達じゃないし!!」

「幼なじみが手に負えないからって私に押し付けたじゃない」


ちょっとちょっと

ますますエキサイトしてくるから、クラスのほかの女子達があっけにとられてこっちをみている


「おーーい、一体なんの話??」

と白熱する議論に水をさしたつもりが、MJはこっちを見ると……


「モロがはっきりしないのが悪いわ」

と突然こちらに牙をむけた

……へ???


「ダメならダメって突っぱねないから、理一くんが押せばいけるって勘違いするんでしょ?」

「ちょっと待ってよ、アタシ話についていけてないねんけど、なんなん~??」

「昨日の夜からMJのケータイにずっと理一がメール送ってんの」


とあこが半ば怒りながらアタシにMJのケータイを広げて押し付けた

理一からのメールがずらりと並んでいる


――みさきにメールしても電話しても無視なんだけど、どうすればいい?――


「モロがはっきりさせてあげないから、彼はどうしたらいいのかわからないんだわ!」

「でもアタシ、もうバイバイって言ったし」

とケータイを見ながら呟くと、あこが「あんたにとっては永遠のバイバイでも、理一にとっては“帰るね、バイバイ”程度の意味だったんじゃないの?」と呆れたように言った


そんな……


――みさきの事諦めたくないんだけど、もう無理っぽい?――

確かに、人気占い師にお気軽にメール相談してる……

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