☆ハイローハート
どんなに死闘を繰り広げてもファイターたちは試合が終わると必ず相手の健闘を称えあう
流血しながら、半分意識が飛びながら、お岩さんのような顔面でスポーツマンシップを見せられると、まんざらでもない気がしてくるからスポーツの魅力というのは計り知れない

アルティメットファイターは、試合の後にコーチのコメントが入ったりする

コーチの人柄もファイターに影響するよね……

なんて、すっかり格闘ファンのような感想を抱いていると、理一がこっちを見ていた

「今日、デートだったんだって?」

「……デートねえ、うん、まあ、そうかな」

「何した?」

「お茶して、お話して、送ってもらって帰ってきた」

「……そんなもんか」


??????


「みさき、ゴールデンウィーク、俺のデートにつきあって」

「なんで?」

「さやかと二人だと緊張するから、あこととよきとナルにも付き合ってもらう」

「またえらい大所帯で」

「遊園地行こうよ」

「ええよ、別に」


あっさりとOKしたから、「え?いいの?」と逆に聞き返されて“ん?”となる

「いいよ、学年のアイドルさやかの顔見てみたいし」

「かっわいいよ~、子犬みたいで」

もうええっちゅーねんッ

「理一くんってば、さやかがかわいすぎて、緊張して二人でデートもできひんくらいやもんな~」

体を傾けてニコニコと理一の顔を見てやると、ちょっと気まずそうな表情

「そんな理一もかわい~けどな」

「勝手に言ってろ」

「あれ、照れてんの??」

ぷくくってこっそり笑ってたら丸めたティッシュが飛んできて、それをキャッチするとアハハってこらきれず笑ってしまった


「うるせっ!」


ピンポーーン……



< 64 / 756 >

この作品をシェア

pagetop