☆ハイローハート
強引にドアを開けられて、タッチの差でケータイを取られるのとほぼ同時に電話の向こうから龍一の声

「龍一!!!」

と大きな声を出すと、画面の“通話終了”をあっさりタップされた

……隣人が持っているコーラのような液体が入ったグラスの中にケータイが沈んで行く


アタシがぼーっとグラスを見ていると「さあ、着替えるのを手伝うよ」と手をとられた



なすがまま



制服のシャツのボタンを外すと、アタシの背後にまわって肩からずらす

季節柄キャミを着ているけれど、青いバラはそれでは隠れない


ふっと服を脱がせる手が止まると、突然首をしめられた


「これは、何?
女が刺青なんて、ボクは許さないよ」


予想していなくて、瞬時に酸素不足


息が吸えない苦しさで、目を閉じただけで涙が自然と流れては落ちていった


「男の趣味?」


と更に首を絞める手に力が込められた


も……無理


「セシル」とアタシを呼びながら首から手が離れて行く

「……痕が少しのこるかもしれないけれど、この刺青は病院で消してもらおう」


そして、シャツをぬがされると、セーラー服をかぶされた


両手を通す

龍一……気付いて……

< 648 / 756 >

この作品をシェア

pagetop