☆ハイローハート
ソファーにもたれていると、テレビ画面にテレビに見入る理一が少し重なる
耳が隠れるくらいの長さの髪をさらっと耳の後ろに流していて、相変わらず目にふわっと髪がかかっている
その前髪の数本が金髪のように光っていてーー
やっぱりなんとなくゴールデンレトリバーみたいなんだよね
「ねえねえあのさー」
と理一の横顔に声をかけた瞬間再びインターホンが鳴った
理一はがばっと立ち上がるとインターホンの赤いランプを確認している
「やっぱり1階で鳴らしてるんじゃなくて、5階で鳴ってる」
そのセリフになんだかヒヤッと冷たいものを感じてしまった
だって、マンション自体はオートロックなわけだし……
今度はインターホンで確認せずにそのまま玄関へと向かい、覗き穴からのぞく理一の背中をリビングを出たところから見ていた
「誰もいねえ……」
そう言ってドアを開き廊下を見渡しても、やっぱり人影はないみたいで……
理一は鍵をしめてチェーンまでかけた
こちらに戻ってきた彼は目の前を通る時に、アタシの肩をトントンと叩いた
「みさき、携帯は?」
「あるよ」
「俺の番号教えとくから、何かあったら電話してこい」
そう言ってポケットから真っ白な携帯を取り出すとソファーに座った理一の隣に、アタシはスマートフォンを持って並んだ
赤外線で理一の番号を受信しながら「……幽霊かな」と呟く
「女が一人でいるんだから、幽霊よりリアルな人間の方が怖いだろ」
その瞬間アタシの家の前で誰かが立ってドアに耳をつけながらインターホンを鳴らす姿をはっきりと想像してしまって、一気に鳥肌がたった
今度は反対にアタシが送信する側
俯いて携帯を操作していると、理一が首を傾けてアタシの顔をのぞきこんできた
「戸締りしてチェーンかけてたら大丈夫だって
インターホンが鳴っても、相手にしなきゃいいんだから」
「うん」
この近い距離で理一の笑顔を見たのははじめてだった
あごをさげたまま上目でチラリと見上げると、人懐っこそうなゴールデンが目を細めてアタシを見ている
携帯を向きあわせる
少し動かせば指が触れそう
耳が隠れるくらいの長さの髪をさらっと耳の後ろに流していて、相変わらず目にふわっと髪がかかっている
その前髪の数本が金髪のように光っていてーー
やっぱりなんとなくゴールデンレトリバーみたいなんだよね
「ねえねえあのさー」
と理一の横顔に声をかけた瞬間再びインターホンが鳴った
理一はがばっと立ち上がるとインターホンの赤いランプを確認している
「やっぱり1階で鳴らしてるんじゃなくて、5階で鳴ってる」
そのセリフになんだかヒヤッと冷たいものを感じてしまった
だって、マンション自体はオートロックなわけだし……
今度はインターホンで確認せずにそのまま玄関へと向かい、覗き穴からのぞく理一の背中をリビングを出たところから見ていた
「誰もいねえ……」
そう言ってドアを開き廊下を見渡しても、やっぱり人影はないみたいで……
理一は鍵をしめてチェーンまでかけた
こちらに戻ってきた彼は目の前を通る時に、アタシの肩をトントンと叩いた
「みさき、携帯は?」
「あるよ」
「俺の番号教えとくから、何かあったら電話してこい」
そう言ってポケットから真っ白な携帯を取り出すとソファーに座った理一の隣に、アタシはスマートフォンを持って並んだ
赤外線で理一の番号を受信しながら「……幽霊かな」と呟く
「女が一人でいるんだから、幽霊よりリアルな人間の方が怖いだろ」
その瞬間アタシの家の前で誰かが立ってドアに耳をつけながらインターホンを鳴らす姿をはっきりと想像してしまって、一気に鳥肌がたった
今度は反対にアタシが送信する側
俯いて携帯を操作していると、理一が首を傾けてアタシの顔をのぞきこんできた
「戸締りしてチェーンかけてたら大丈夫だって
インターホンが鳴っても、相手にしなきゃいいんだから」
「うん」
この近い距離で理一の笑顔を見たのははじめてだった
あごをさげたまま上目でチラリと見上げると、人懐っこそうなゴールデンが目を細めてアタシを見ている
携帯を向きあわせる
少し動かせば指が触れそう