☆ハイローハート
引き離さないで
理一をアタシから奪わないで
「離してっっ」と怒鳴られても、「みさき!!」と腕を引かれても……離れたくないの
だから、引き離さないで
理一が運ばれていく後ろをよつんばいで追って、玄関に並ぶ靴を踏んづけて裸足のまま一緒に家を出た
理一に伸ばそうとする手を龍一に引きとめられる
「君も怪我してる?
どこか痛いところは?」
とアタシの服に血がついているから、救急隊員が顔をのぞきこんで聞いてきたけれど……
痛いかと聞かれれば全身が痛い、どこもかしこも、全て痛い
「わからん」
とだけ答えると、「一緒に病院まで来なさい」って言われて理一と龍一と一緒に救急車に乗った
何か忙しく処置をしている救急隊員の背中に隠れて理一の足しか見えない
理一を見たいんですけど
顔を見つめたいんですけど
手を握りたいんですけど
触れていたいんですけど
一瞬見えた理一の前髪が額にはりついていて、それを払ってあげたくて少し腰を浮かせると
「邪魔するなって、今手当てしてもらってんだから」と龍一に阻止された
脳は落ち着いているように感じるのに、心臓だけが落ち着かない
「なんで……」と呟くと龍一がアタシの手をギュッと握った
理一をアタシから奪わないで
「離してっっ」と怒鳴られても、「みさき!!」と腕を引かれても……離れたくないの
だから、引き離さないで
理一が運ばれていく後ろをよつんばいで追って、玄関に並ぶ靴を踏んづけて裸足のまま一緒に家を出た
理一に伸ばそうとする手を龍一に引きとめられる
「君も怪我してる?
どこか痛いところは?」
とアタシの服に血がついているから、救急隊員が顔をのぞきこんで聞いてきたけれど……
痛いかと聞かれれば全身が痛い、どこもかしこも、全て痛い
「わからん」
とだけ答えると、「一緒に病院まで来なさい」って言われて理一と龍一と一緒に救急車に乗った
何か忙しく処置をしている救急隊員の背中に隠れて理一の足しか見えない
理一を見たいんですけど
顔を見つめたいんですけど
手を握りたいんですけど
触れていたいんですけど
一瞬見えた理一の前髪が額にはりついていて、それを払ってあげたくて少し腰を浮かせると
「邪魔するなって、今手当てしてもらってんだから」と龍一に阻止された
脳は落ち着いているように感じるのに、心臓だけが落ち着かない
「なんで……」と呟くと龍一がアタシの手をギュッと握った