☆ハイローハート
救急車がどこかの病院で止まると、看護婦さんとお医者さんが待ちわびていたように理一を取り囲んだ
看護婦さんの1人が「あなたは大丈夫??こっちに来て」とアタシを誘導しようとしたのに構わず理一の後を追おうとすると
「あなたはまず自分のこと、彼はちゃんとドクターに診てもらうから大丈夫よ」
と強引に理一が行った方向とは違う道を曲がらされてしまった
龍一が理一についていったのが見える
「靴も履いてこなかったの??」
「……」
「彼って、あなたの彼氏?」
「……」
「どこか痛いところない??」
外科1のプレートがかかっているカーテンをくぐると忙しそうに女医が奥から出てきて、うつむいたままでいるアタシの服をまくった
「血がついてるけど、あなたのじゃなさそうね」
ひたひたに濡らした消毒用ガーゼで素肌についた血をこするときれいにとれていく
腹部も足も、腕にもついた血は全部アタシのじゃなくて……
残ったのはわき腹の小さな打ち身
それに足首が捻挫で痛むくらい
アタシをここまで連れてきた看護婦さんが「はい、これに着替えて……入院患者用だけど今着ているのよりはましよ」と薄ピンクのだぼっとしたワンピースのような物を手渡してきた
「このカーテンの向こうで着替えるといいわ」
と言われて、やっと顔をあげて受け取ると看護婦の胸ポケットに「北口」と名前のかかれたプレートが留められている
「ストップ、こっち向いて口あけて」
と女医がアタシの座るイスをくるりと回すから、体のバランスを崩しつつ口をあけた
「べーー」
と女医が舌を出し、アタシもまねして出す
「うわ、いたそ
すっごい噛んでる」
看護婦の北口さんものぞきこんで「わ、ほんと」と痛そうな顔
看護婦さんの1人が「あなたは大丈夫??こっちに来て」とアタシを誘導しようとしたのに構わず理一の後を追おうとすると
「あなたはまず自分のこと、彼はちゃんとドクターに診てもらうから大丈夫よ」
と強引に理一が行った方向とは違う道を曲がらされてしまった
龍一が理一についていったのが見える
「靴も履いてこなかったの??」
「……」
「彼って、あなたの彼氏?」
「……」
「どこか痛いところない??」
外科1のプレートがかかっているカーテンをくぐると忙しそうに女医が奥から出てきて、うつむいたままでいるアタシの服をまくった
「血がついてるけど、あなたのじゃなさそうね」
ひたひたに濡らした消毒用ガーゼで素肌についた血をこするときれいにとれていく
腹部も足も、腕にもついた血は全部アタシのじゃなくて……
残ったのはわき腹の小さな打ち身
それに足首が捻挫で痛むくらい
アタシをここまで連れてきた看護婦さんが「はい、これに着替えて……入院患者用だけど今着ているのよりはましよ」と薄ピンクのだぼっとしたワンピースのような物を手渡してきた
「このカーテンの向こうで着替えるといいわ」
と言われて、やっと顔をあげて受け取ると看護婦の胸ポケットに「北口」と名前のかかれたプレートが留められている
「ストップ、こっち向いて口あけて」
と女医がアタシの座るイスをくるりと回すから、体のバランスを崩しつつ口をあけた
「べーー」
と女医が舌を出し、アタシもまねして出す
「うわ、いたそ
すっごい噛んでる」
看護婦の北口さんものぞきこんで「わ、ほんと」と痛そうな顔