☆ハイローハート
北口さんは「じゃあ番号がわかったらすぐに連絡してね」と他の書類を探り出した
ペンを返すタイミングを失っていると
「昨日お母さまが試算した金額以上のお金を置いていかれたのね
それでそのお金が余ったから、お会計ではそれ受け取って帰って
受領印の代わりにサインでいいって言ってたし」
……なるほど、そんな技があったんや
「そうそう、これが処方箋
元気になる健康系のお薬やからおススメ
ちゃんと薬局行って受け取って飲んでね」
「健康系の薬って何??」
「鉄剤と、ビタミンC
ビタミンCはお肌にいいからね
それと体のバランスを整える漢方」
……漢方
にっが~いやつ
「なんかモロさ、人間ドッグにでも来たみたいじゃない??」
「ほんまに、健康系の薬もらえるなんてびっくりや」
処方箋を受け取ってボー然としていると北口さんは
「じゃ、ケータイの番号よろしく
どうせ西田くんの面会時間に会えるよね?
じゃ、気をつけて!」
とお別れの挨拶もそこそこにサッサと出て行ってしまった
「看護婦が“どうせ会えるよね!”っていう挨拶もどうなんだろうね」
とあこは首をひねりながら笑って荷物を持った
アタシも来た時が来た時だけに大した荷物はない
特に感慨深い思いも無く自分の病室をあとにすると、迷いもなく理一の病室に寄るあこに続く
理一の枕元で花を生けかえていたママが振り返った
「みさきちゃん、今日退院なんでしょ?」
「そう……ほんまは理一と一緒に退院したいのに」
「夕飯、ごちそう作るからうちにおいでね」
「うん……でも、あんまり食欲ないからごちそうじゃなくていいよ
たまご焼きがいいな」
理一の目が開かないのに、ごちそうなんて気分にもならないし
ペンを返すタイミングを失っていると
「昨日お母さまが試算した金額以上のお金を置いていかれたのね
それでそのお金が余ったから、お会計ではそれ受け取って帰って
受領印の代わりにサインでいいって言ってたし」
……なるほど、そんな技があったんや
「そうそう、これが処方箋
元気になる健康系のお薬やからおススメ
ちゃんと薬局行って受け取って飲んでね」
「健康系の薬って何??」
「鉄剤と、ビタミンC
ビタミンCはお肌にいいからね
それと体のバランスを整える漢方」
……漢方
にっが~いやつ
「なんかモロさ、人間ドッグにでも来たみたいじゃない??」
「ほんまに、健康系の薬もらえるなんてびっくりや」
処方箋を受け取ってボー然としていると北口さんは
「じゃ、ケータイの番号よろしく
どうせ西田くんの面会時間に会えるよね?
じゃ、気をつけて!」
とお別れの挨拶もそこそこにサッサと出て行ってしまった
「看護婦が“どうせ会えるよね!”っていう挨拶もどうなんだろうね」
とあこは首をひねりながら笑って荷物を持った
アタシも来た時が来た時だけに大した荷物はない
特に感慨深い思いも無く自分の病室をあとにすると、迷いもなく理一の病室に寄るあこに続く
理一の枕元で花を生けかえていたママが振り返った
「みさきちゃん、今日退院なんでしょ?」
「そう……ほんまは理一と一緒に退院したいのに」
「夕飯、ごちそう作るからうちにおいでね」
「うん……でも、あんまり食欲ないからごちそうじゃなくていいよ
たまご焼きがいいな」
理一の目が開かないのに、ごちそうなんて気分にもならないし