☆ハイローハート
「じゃ、お前をほっておいて、男と暮らしてるってこと??」

「人聞き悪いなあ~、男と幸せにしてるねんからええやんか」

「……ええんか?」

関西弁が理一にうつって、思わず吹き出した

「……ええんよ」

そういって微笑むと、不服そうな顔の理一

おやつがもらえない犬みたいでかわいい
首のあたりをゴシゴシしてやりたくなる

「なんか、納得いかねーなあ」

「なんで?それがあの人の生きる術なんだから、否定しちゃダメでしょ」

「よくわかんねー」

理一は立ち上がると、携帯をポケットに入れた

「んじゃ、帰る」

「はい」

アタシもたちあがった

もうしばらくすると、日付が変わる時間

「ちゃんと鍵しめて、チェーンもしとけよ」

「了解」

「誰か来てもあけるなよ?」

「うん」

「何かあったら電話して」

「オッケー」

「俺、お父さんみたい」

「お父さんってどんなんか知らないから、わかんない」

……振り返った理一が読み取れない表情をして、小さくため息をついた

「ゴールデンウィーク、遊園地行こうな」

なんだ、その優しい誘いは

「さやかにも、そう言えばいいのに……
なんでアタシに言えてさやかに言えないの??」

「そりゃ、お前、さやかのかわいさはそれはもうまるでまるで」

「わーったわーった」



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