☆ハイローハート
あれ?って思った瞬間には国坂くんの頭突きが骨のぶつかる音をたてて男の額にぶつかってて……


……頭突きって空手、関係ないんじゃ……って思ったのもつかの間

国坂くんは、足元がふらついた男を引き寄せすごんだ


「今度彼女たちに手を出したら、……全国の国坂塾生がお前たちを探しだす
これからは用があるなら先に国坂塾を通せ」


他の男達はすでに1メートル以上距離を取っている


「それと、チヤコとかいう妹にもよーく言い聞かせて
俺にも、ましてや彼女たちを逆恨みするのは筋違いだって
…………返事」

と国坂くんが淡々とした声で言うと、上ずった声で「はい……」と聞こえてきて、ヤンキーは突然服から手を離されてよろめく体を立て直しながらフラフラと逃げていった


チヤコ???


チヤコ???


「どうして国坂くんがチヤコを知っているの?」


MJの質問はもっともだった


「何が目的だかわからないけど、チヤコって女が学校で待ち伏せして俺に関わってくる
しかも色仕掛け……」


……あー……あの女モロに仕返したいわけね


「気持ち悪いからやめてくれる?ってこの間俺が言ってしまったから……こんな目に合わせて申し訳ない」


理一があっさりオチた色仕掛けを“気持ち悪い”って……


「また何かあったら連絡して
相手の素性はわかってるんだから、どうとでもなる」


国坂くんはそう言うと、サッサと通り過ぎていく

「国坂くん!……助かった、ありがとう」

「こんなことでしかみさきちゃんの役に立てないから」


そういった横顔が……憂いを帯びていて……キレイ

って思ったことは、誰にも言えませんけど

「いい人」とMJがボソッと言った

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