☆ハイローハート
「病院……行った方がいいとは思うけど」

「それはいややってゆーてるやろ」


…………


何度聞いても顔と違和感のある関西弁



「じゃ、とにかくアタシの家まで」



……と、彼女のカバンを代わりに持ってマンションへと向かった



常日頃からチャンスがあれば脱走しようともくろんでいるカブを逃がさないように、ハーフ女の背中を玄関に押し込んでアタシも一瞬でドアの内側に体を入れる


片足に力を入れないようにしているからか、簡単によろめいて壁に手をついているハーフ女

「アタシけが人やで!」

と被害者アピール


……なんか、むかついてきた



「そこのドアあけるとアタシの部屋

消毒と、ガーゼとか持っていくから入ってて」



歩いていく彼女の足元をみると、血は幾筋にもなって靴下にまで到達していた


白いソックスが血に染まって恐ろしい


濡らしたタオルをレンジで生ぬるくあたためて、消毒液とガーゼと包帯と紙テープをお盆にのせた


傷がひどかったら、やっぱり病院に強制連行しよう


なんて考えながら自分の部屋に入ると、立ったままスカートをおさえている姿


「スカート脱いで、傷見せて」


「は?スカート脱ぐ?」

「どうせそのスカートもう使い物にならないよ?まくりあげるか脱ぐかどっちにする?」

「何か履くもん貸して」

「傷手当てしたらね」


ハーフ女は血のついた靴下を脱いで、スカートをおろした

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