☆ハイローハート
他の病室の開いたドアの内側をのぞきながら
すれ違う人の怪我の部位を見ながら
考えるともなく何かを思いながら
理一の病室に近づくと、入り口の外でとよきが腕組みをして立っている
その向かいで壁にもたれて中に聞き耳をたてているような理一ママ
(理一ママ、どこのコンビニまで行ってたの?)と言おうと「り」と発音した瞬間に勢いよく口を押さえられた
「ぃぅっ……」
発しきれなかった言葉達が変な音になって理一ママの手の中で握りつぶされる
静かにして耳を澄ませば……病室内から聞こえる声
『理一、起きてんの?』
『……みさき』
さっきからアイツは“みさき、みさき”って……
って思ったけれど、よく考えて見ればモロが留学に行ってからずっと、
……ずっとずっと理一は“みさき、みさき”って言い続けていた
『何?』
『……みさき』
モロがちょっと笑ったような声で『……じゃあ、キツネ』と言い返すと
『ネズミ』と理一が答える
え、なんでしりとり??
『ん~~~、みさき』
と、モロが自分の名前を再度出すと、今度は理一の番
『キス』
……ああ、理一って感じ
すれ違う人の怪我の部位を見ながら
考えるともなく何かを思いながら
理一の病室に近づくと、入り口の外でとよきが腕組みをして立っている
その向かいで壁にもたれて中に聞き耳をたてているような理一ママ
(理一ママ、どこのコンビニまで行ってたの?)と言おうと「り」と発音した瞬間に勢いよく口を押さえられた
「ぃぅっ……」
発しきれなかった言葉達が変な音になって理一ママの手の中で握りつぶされる
静かにして耳を澄ませば……病室内から聞こえる声
『理一、起きてんの?』
『……みさき』
さっきからアイツは“みさき、みさき”って……
って思ったけれど、よく考えて見ればモロが留学に行ってからずっと、
……ずっとずっと理一は“みさき、みさき”って言い続けていた
『何?』
『……みさき』
モロがちょっと笑ったような声で『……じゃあ、キツネ』と言い返すと
『ネズミ』と理一が答える
え、なんでしりとり??
『ん~~~、みさき』
と、モロが自分の名前を再度出すと、今度は理一の番
『キス』
……ああ、理一って感じ