☆ハイローハート
* * * * *
退院の日、まだ絶好調とまではいかないけれど動かしづらかった指もスムーズに動くようになり、曲げにくかった腰も普通に曲げれる程度になった理一
看護婦の北口さんに理一とアタシが運ばれてきた時の状況を聞いたり、アタシとあこが体験したカブの不思議な出現話をしたりして理一ママが退院手続きを終えるのを待っていると、入り乱れたハイヒールの音が病室の前で止まった
「ママ、ココココ!
西田理一……間違いない」
「あ、ほんま
……失礼します」
この間たまたま家で遭遇した母親に退院の日を伝えたからか、開いたドアから黒のロングコートを着た母親と、豹柄のファーでできたド派手なショートジャケットを着たちづるさんが入ってきた
「あれみさき、来てたん?」
「そら来てるやろ」
「お母さまは?」
母親が辺りを見渡して聞くから「今退院手続き中」と答える
そしてちづるさんは「みさきちゃんの彼氏の顔はじめて見た!この間は意識なかったもんね!」とウキウキ顔で理一を観察しはじめた
「退院おめでとう
それと、みさきを助けてくれてありがとうね」
母親が手土産らしき紙袋をベッドに座る理一の横にトンと置いた
多分理一は今困惑してる
この水商売ッ気たっぷりな女二人は誰なんだって
「理一……アタシのお母さんと、お母さんのお店のちづるさん」
「みさきのお母さん?
……え!!お母さん???
こここ、こんにちは」
その動揺っぷりがおかしかったのか母親はぷっと笑うと「こんにちは」と応じた
「コレ、ありがとうございます」と理一は脇に置かれた紙袋を指差す
「それね、ご家族と食べて
私の好きな昆布の詰め合わせ」
またそんなおばあちゃんの選ぶお供えみたいな……
退院の日、まだ絶好調とまではいかないけれど動かしづらかった指もスムーズに動くようになり、曲げにくかった腰も普通に曲げれる程度になった理一
看護婦の北口さんに理一とアタシが運ばれてきた時の状況を聞いたり、アタシとあこが体験したカブの不思議な出現話をしたりして理一ママが退院手続きを終えるのを待っていると、入り乱れたハイヒールの音が病室の前で止まった
「ママ、ココココ!
西田理一……間違いない」
「あ、ほんま
……失礼します」
この間たまたま家で遭遇した母親に退院の日を伝えたからか、開いたドアから黒のロングコートを着た母親と、豹柄のファーでできたド派手なショートジャケットを着たちづるさんが入ってきた
「あれみさき、来てたん?」
「そら来てるやろ」
「お母さまは?」
母親が辺りを見渡して聞くから「今退院手続き中」と答える
そしてちづるさんは「みさきちゃんの彼氏の顔はじめて見た!この間は意識なかったもんね!」とウキウキ顔で理一を観察しはじめた
「退院おめでとう
それと、みさきを助けてくれてありがとうね」
母親が手土産らしき紙袋をベッドに座る理一の横にトンと置いた
多分理一は今困惑してる
この水商売ッ気たっぷりな女二人は誰なんだって
「理一……アタシのお母さんと、お母さんのお店のちづるさん」
「みさきのお母さん?
……え!!お母さん???
こここ、こんにちは」
その動揺っぷりがおかしかったのか母親はぷっと笑うと「こんにちは」と応じた
「コレ、ありがとうございます」と理一は脇に置かれた紙袋を指差す
「それね、ご家族と食べて
私の好きな昆布の詰め合わせ」
またそんなおばあちゃんの選ぶお供えみたいな……