☆ハイローハート
とよきは迷彩のパーカーにデニムという楽な格好だけど、体格がいいからそれだけでもなんかかっこいい


とよきとナルが「理一が誘ってきたのに、おせえな」と話しているのをいいことに、あこに耳打ちした

「とよき、いい体すぎるやろ」

「……朝からそういう視点で男を見るな」

……そうゆう突っ込みされると、アタシ欲求不満みたい

またとよきがあくびをしている

「寝不足?」

アタシが聞くと「昨日、ナルに夜中まで付き合わされた」とぼそっと聞こえてくる

ナルが(げっ)って感じでとよきに目配せしているけど、彼はそんなこと無視らしい

???って二人のやり取りを見ているとあこが見切ったように「どうせ合コンだよ」と呆れた声を出した

……別に隠すほどのことでもない……けど

「え?理一も?」

と思わず聞いてしまった

「その男三人は、ワンセット」

またあこが見切っている

……ほお、好きな女がおっても合コンは行くのか

アタシが(なるほど)とうなずいていると、ナルがひらりとアタシの前に現れる

「でも、みさきほどかわいい子はいなかったよ~」

「そやけど、夜中まで盛り上がったんやろ??
誰か一人くらい連絡先きいたん??」

ニッコニコの笑顔で微笑まれて、ニッコニコの笑顔を返す

「んー?みさきが番号教えてくれたら、他の女の子なんかどーでもいいもん」

「べつにいつでも教えてあげるけど」

「え?マジで??」

……教えないなんていった覚えありません

居もしない彼氏に遠慮する必要はない


ナルがズボンの後ろポケットから携帯を取り出そうとした時に、あこに腕を叩かれた


「理一とさやかが来た」

「え?どれ??」



< 72 / 756 >

この作品をシェア

pagetop