☆ハイローハート
泣けなかったの

涙の先に自分の孤独を見つけてしまうと、不幸になってしまうと思ってた


理一とこうして手をつないでいられること

理一の目にアタシがうつること

理一に言葉で伝えられること


今こうして当たり前にできていることに感動できる気持ちを、理一が教えてくれたから


こんなにも自然に涙は出てくるんだって

涙って、弱さと悲しみだけじゃないんだって


理一となら、未来は幸せだって信じられる




アタシがまだ知らない感情を……いっぱいいっぱい、教えて


「アタシも……理一が好き」


返事の代わりにぎゅっとして欲しい……


そんな気持ちも以心伝心で、抱きしめられて涙がこめかみを流れていく


「マジ?」

理一の小声に首をうなずかせる

「ほんと?」

更に(うんうん)とうなずく




「じゃあさ……


メアド、教えて」





パチッと目を開けてまばたきすると、更に涙がポロリ

にじんだ世界がクリアになって、暗闇に慣れた心と瞳がすぐそばに寄り添う理一を見つけた



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