☆ハイローハート
夕方になってから理一たちと合流した

「最後に観覧車乗ろうよ」

誰かの提案で、長蛇の列の観覧車に並ぶ

「これだと、ちょうどいい感じにライトアップされる頃に乗れるかもね」

なんてあことウキウキ話していると、その後ろでさやかが理一に話している声が聞こえた

「さやか、高いところもあんまり得意じゃないの」

……だったら、もう二度と遊園地にはこない方がいいよ

あこと目が合う
多分、絶対、一緒の事考えてる

「でさー、とよき」
なんて、白々しくとよきに話しかけるあこ

ナルは涼しくなってきた今更ソフトクリームを買ってきて満足気に食べている

「はい、みさき、あ~ん」

と口に近づけてくるから、大人しく“あ~ん”ってすると

「間接キッスー」

って言いながら押し付けられた

……小学生か!!

とよきがアホを見るような目でこっちを見るから、巻き込まれてほんと迷惑
あこなんて、突っ込みもしてくれない

「ホラーハウスのスタッフに携帯の番号書いたメモ渡されてんだよ、ね~モロ」

「どんな男だったっけ?俺、顔覚えてねーわ」

と、とよきは思い出そうとしているけど印象に残ってないらしい

ナルが別に大したことでもなさそうに「俺覚えてるよ、めっちゃみさきに一目ぼれ~オーラ出してたし」とソフトクリームのコーンをバリッと噛んだ

なんっにも考えてなさそうなのに、そういうとこ見てるんだ……と意外な思いで彼の顔を眺めた

「それを言うなら、ピンクのうさぎにも告白されてたよな~みさき」

突然理一が後ろから会話に参加してくる

「ピンクのうさぎがさ、みさきに風船渡して、指でこうやってハート型作ってさ~」

と、実際にハート型を作って見せる理一

「何回もみさきにそのハートを渡してんだよ、な??」

「あれは、アタシがこけた男の子に優しくしたからやって」

「いや、それだけじゃないね」とすぐさま理一が否定した


< 81 / 756 >

この作品をシェア

pagetop