☆ハイローハート
すっかりアタシ達の順番がまわってきて、ゴンドラにはアタシと理一以外の四人が乗って動き出している

「え?ちょっと!あの人達と一緒なんですけど!!」

横に居たお姉さんに主張するも「え?でも四人乗りですよ~」って笑顔で流された

……

次のゴンドラのドアを開けて「足元にご注意くださ~い」って、言われても。

理一が乗っていく

え?乗るの?
アタシ、さやかじゃないけど


中から理一が手を伸ばしてくるから、思わず一緒に乗ってしまった


「せっかくの観覧車やのに……」

アタシが呟くと理一が「なんだよ、悪かったな俺で」ってふて腐れたように言う

「そうじゃなくて、さやかに告白するチャンスやん」

「ハハッ」

……ハハッって?笑うとこ??

理一がアタシを見て「それ、天然の髪の色?」って聞くから、うなずいた

「ふわふわしてる」

「あー、うん、なんかすぐ静電気でそうなんねん」

「触っていい?」

「へ?」


許可する前に指先が触れて、毛先で遊ぶ

「やわらか……」

なんか、肌に触れてるわけじゃないから、直接指の感触は感じないんだけどめちゃくちゃくすぐったい

「俺なんか、あこの兄ちゃんに練習台にされてカラーリングばっかされるから傷みまくりだよ」

「あこのおにいちゃん美容師なん?」

「美容専門学校行ってるけど、週末とかはクラブでバイトしてる
今度一緒に遊びに行く?」

「うん、行きたい」

「みんなで行こうゼ」

傷んでるっていったけど、十分やわらかそうな髪

そう思うと無意識に彼の頭に腕を伸ばして撫でていた


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