☆ハイローハート
理一のお母さんは体こそ小さいけれどパワフルな感じで、スパスパと物を言うから気持ちいい

……んだけど、突然晩御飯を一緒にって……

――帰り道

「理一から聞いてたの、みさきちゃんはいつも一人でごはんを食べているって
でも、そんなのおいしくないじゃない??」

「はあ」

「だからいつでも食べに来て」

「え?」

「うち、残念ながら男三兄弟でしょ?
女っ気がなくて寂しいのよ」

……残念ながらって


――エレベーターの中

「理一に、みさきちゃん誘ってあげなさいよって言ったんだけど、聞いてない?」

「聞いてないです」

「ったく、男ってほんといやね
ね、みさきちゃんって関西のどこから来たの?」

「大阪なんですけど」

「大阪の、どの辺?」

「天王寺ってところです」

「知ってる知ってる
私ね、大学生のとき、関西の大学生と遠距離恋愛したのよ~
あ、旦那には内緒ね、内緒」


――理一の家の玄関

「さ、入って入って
ちょっと男くさいけど、口で息したら大丈夫だから」

「おばさん、おもしろいですね」

「え、ちょっとおばさんってやめてくれない?
理一の友達にも“おばさん”って呼ばせてないのよ」

ま、確かにおばさんって感じはしないけど

「女の子が生まれたら“ママ”って呼ばれたかったわ~」

……はい、じゃあ、ママって呼ばせてもらいます

リビングにつれて来られると、男が三人座っていた
もちろん、アタシを見てキョトーン……である



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