彼と彼女の恋愛事情
「沙耶ちゃんの裏切り者ぉぉおお!!」
ガタッと立ち上がり、憎しみを込めて叫ぶあたしに、周りから痛い程の視線が集まる。
「……美海」
呆れたように呟く沙耶ちゃんを見てハッと我に返ったあたしは、ぺこぺこと頭を下げて席に座り直して。
……沙耶ちゃんの所為なのに……!
自分を正当化しながら、ぶーぶー文句を言い、はぁと溜め息を吐いてテキストに視線を戻す。
……女帝もちょっとは生徒の気持ちも考えてよね。
なんて思いながらも、あたしは出来る限り頭に詰め込んでいった。