seen you【短編】
「ええと・・・親切にしてくれてありがとうですが・・・どちら様でしょーか?」
「なんか面白いね、君」
くすっと笑って、こちらを見据えた。
「誰でしょう?」
にこっと笑いかけてくれた瞬間、なんだかいい香りがした。
香水?
「あの、失礼ですが」
「うん?」
「もしかして、今巷で有名な、“○高の屋上に出る幽霊”?」
「失礼な!」
怒った仕草をしながらも失笑した。
「俺はシュウ。君は?」
シュウ君、か。
「私は浅岡蜜。3年だよ。シュウ君は何年?」
「驚くこと言っていい?」
「何?」
「実はね、俺・・・・・・」
溜めて溜めて溜めて。