ブランコ
「ほんとだぁ…」
雲一つない青空。
…手が届きそうだった。
私がみた空は哀しみの青色でいっぱいだったけれど、
でもそんな哀しみさえも包み込んでしまうぐらい大きくて
自分が、すべてだと思っていた世界がどんなちっぽけだったかと思うぐらいに広くて…。
そんないろんな思いが一気にこみ上げてきた。
と、同時に、頬を冷たいものがつたった。
「……うっ……ぅ…」
涙が溢れた。
…あれ?
なんで…泣いてるのかなぁ…。
自分でもなんで泣いてるのかよく分からなくて。
あれ……?
でもそう疑問に思いながらも
一向に涙は止まる気配を見せなかった。