ブランコ
一時たち、泣き止んだ私は放心していた。
胸にポッカリ穴が空いたようだった。
だって泣き終わった瞬間分かってしまった。
涙を流して今までため込んでいた沢山の感情を洗い流し終え、やっと我に戻ったとき、
心には、何も残っていなかった。
負の感情を洗い流してしまったら、私にはなにも残らなかった。
そして、幼い頭でも理解してしまった。
自分がたった独りなんだって。
…孤独なんだって。
いつの間にか漕ぐのを止めてしまっていたブランコを降りる。
目の前を一羽の鳥がよぎった。
自由に飛べる鳥が羨ましい。
私も羽がほしい。
飛んでいきたい。
知らない世界に。