ブランコ
――――…
学校に着くと、校舎や玄関前は小学生並のはしゃぎ声がたくさん飛び交っていた。
「キャーッ同じ組じゃん!!」
「うそ!?まじで?」
「ぅわぁ、ちょーラッキー☆」
「はぁ…まじかよ…」
「やったぁ♪いっしょーw」
…朝から何騒いでんのか…。
一際大きな声で騒ぐ集団の横を抜けて、貼りだされているクラス表を見る。
……2-D、か。
知ってる名前、一個もないな。
ま、学校中探したって見つかるはずないんだけど。
校舎に入り、階段を上がって2-Dと書いてある教室に入る。
席は……窓際の一番後ろ。
書いてある通りの席につき、適当に教室内を見渡してくせになっている人間観察をする。
2年にもなってくると学校にも慣れ、校則を破る奴らがちらほら出てくる。
…このクラスは大半の奴らがそんな感じだな。
私は、クラスの大体を見終わるとすぐに興味が失せて、窓の外に目を移した。
もうHRが始まっている時間なのに担任はまだこない。
私は何気なく窓から視線を外し隣、右側の席を見た。
隣は誰も座ってなかった。
サボリか不登校か…。
そんなことを考えていたら
ーガラガラ
「おーい、席に着けー」
新学期早々、覇気のない声で担任が入ってきた。