ブランコ
…はぁ…だるぃ…。
人が少なくなった階段を、みんなとは逆方向に向かって上っていく。
無事に教師に会うこともなく屋上にたどり着いた。
重い扉を開けて、外に出る。
……ふぅ。
大きく深呼吸した後に空を見上げた。
雲一つない真っ青な空がどこまでも続いている。
こうしてゆっくりと空を眺めているのも悪くないな。
けれどそれはやっぱり流石に暇なので寝ることにした。
いつものように、出入り口の上のところへついているはしごを登る。
「――――――」
…そこには先客がいた。
見たことのない、ヘッドホンをつけてスヤスヤ眠ってる黒髪の男が。