ブランコ



教室には人はまばらで、7、8人程度いるくらいだった。


席について一時待ってても生徒もまだ全員は帰ってこないし、先生の来る気配もない。


…寝るか。


顔をふせ、目を閉じる。


うとうとし始め、だんだん周りの音が聞こえなくなってきたとき


「おーい。お前らさっさと教室入れ!!」



……タイミング悪すぎ……。


「さっさと席に着け」


立っていた生徒がぞろぞろと席に着く。


「よし、座ったな。えーっと本当はさっきのHRで紹介するはずだったんだが…。まぁ、こっちの事情でいろいろあってな、今紹介する」

「なんの話し〜?」


女子が声をあげた。


「編入生だよ」


だるそうに担任が言う。


「は!?まじでっ!男?女?」

「うるさい。小学生かお前は。今から入ってくるんだよ。黙ってろ」

「………さーせん」

「……よし。んじゃー、入ってこい」


担任がドアに向かって言うと、全員も黙って視線を向ける。


私は、空いていた隣の席にやっと納得がいって、横に座るやつの顔ぐらいは見とくか、と思いドアに目を向けた。








< 19 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop