ブランコ
教室には人はまばらで、7、8人程度いるくらいだった。
席について一時待ってても生徒もまだ全員は帰ってこないし、先生の来る気配もない。
…寝るか。
顔をふせ、目を閉じる。
うとうとし始め、だんだん周りの音が聞こえなくなってきたとき
「おーい。お前らさっさと教室入れ!!」
……タイミング悪すぎ……。
「さっさと席に着け」
立っていた生徒がぞろぞろと席に着く。
「よし、座ったな。えーっと本当はさっきのHRで紹介するはずだったんだが…。まぁ、こっちの事情でいろいろあってな、今紹介する」
「なんの話し〜?」
女子が声をあげた。
「編入生だよ」
だるそうに担任が言う。
「は!?まじでっ!男?女?」
「うるさい。小学生かお前は。今から入ってくるんだよ。黙ってろ」
「………さーせん」
「……よし。んじゃー、入ってこい」
担任がドアに向かって言うと、全員も黙って視線を向ける。
私は、空いていた隣の席にやっと納得がいって、横に座るやつの顔ぐらいは見とくか、と思いドアに目を向けた。