ブランコ
空虚






生まれてから一度も
笑ったことも
愛されたことも
幸せだったこともない。


それが私。
神崎 蒼空(かんざき そら)。



いや、赤ちゃんの頃は、笑っていたかもしれない。
愛されていたかもしれない。
幸せだったかもしれない。
けど、


物心ついた頃からの記憶の中には、そんな感情は全くなかった。


もう、それがどんな感情であるかさえも分からなくなっていた。



なにも知らなかった。


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