ブランコ
そしてバシッと背中を叩かれた。
びっくりして咲斗を見ると
「気合い、いれなあかんで」
「…おう」
俺は力強く頷いた。
「彼方なら、大丈夫や」
その咲斗の優しい言葉に俺は改めて友達という存在の大きさを感じた。
「ほな、うちこっちやから」
そう言って咲斗は手を振り帰っていく。
「さんきゅ、咲斗。……じゃぁな」
俺もそうつぶやいて、歩き出した。
いつの間にか
夕方の名残でオレンジ色に染まる空を少し残して、夜の黒色が空を覆っていた。
俺の視線の先には蒼空の住むマンションがある。
偶然的にも家は近い。
一時マンションを見つめ、それからまた自分の家へと歩きだす。
……ま。
まずは謝らねーと、な。