ブランコ
いつもならそこで泣くことしかできない私が
その時だけは何を思ったのか
…気がついたら家を飛び出していた。
あてなんかないし、
どこに何があるかも分からない。
けど…
とにかく、母親の怒鳴り声が聞こえないところへ
それだけを必死に思いながら
なにか吹っ切れたように走った。
遠くへ。
ーーーーーーー………
ーーーー………
ーーー……
「はぁ……はぁ……はぁ………」
あー…どうしよう。
家を飛び出してきちゃった。
…お母さん、怒るよな…。
………。
……ここ、どこだろう…。
出そうになる涙をこらえて顔を上げてみると、
そこは、どこにでもある住宅街。
そして、目の前にあったのは、