ブランコ
「公園……?」
そう、どこにでもある小さな公園。
「どこまで来たんだろ…あたし…」
周りを見てみても人っ子ひとりいない。
「…あ…遊んじゃ…ダメ…かな…」
遊びたい子供心と帰り道を探さないといけないと思う心が交錯して、一時その場に立ちつくしていた。
そして…
「ちょっとだけなら…」
大丈夫、と心に言い聞かせ公園へ駆け出した。
無我夢中で遊んでいると
そこへ私よりもまだ幼いツインテールの女の子とその子のお母さんだと思う人が公園へ入ってきた。
その子は、公園に入ると一目散にブランコに駆けていき、母親と楽しそうに遊び始めた。
「いいな…」
つい、言葉が零れた。
…うらやましい。
でも、見ているのには辛くて
フィッと顔を背けて、自分で遊ぶことだけに集中した。
…するしかなかった。