ブランコ
「はぁ……」
もう遊ぶ気分じゃなくなった。
私は乗っていたすべり台から降りてさっきまで人が乗っていた名残で小さく揺れているブランコに近づいた。
そして、何を思ったか
ギィ…ーーーー
ブランコに乗り一心不乱に漕ぎ出した。
私は自分でも何をしているんだろうと思いながらも体が自然に動いたのを止められなかった。
「わぁ…高い…なぁ…」
自分の足元を見ながらそう思った。
ブランコに乗りながら受ける風は、とても冷たかったけど、それが逆に心地よかった。
そして、不意にさっきの事が思いだされてこのブランコにさっきの女の子が乗っていたのか…と意味もなく考えた。
と同時に、女の子のさっきの言葉も思い出した。
『お空きれぃだよぉ』
頭の中で響いた声に私は顔を上げ、空を見上げた。