イタル~another day~
神社までは、歩いて5分。

その間にも、祭のいろいろな音が風に乗って聞こえてきた。

知沙は黄色い彼をずっと胸に抱きしめている。

「それ、誰?」

「チカピューって言うんだよ。知らない?」

知らない。

「そんなに欲しかったんだ?」

「・・・そうでもないよ」

と言う知沙は相変わらず大事そうに
黄色い彼"チカピュー"を抱いている。

「イタルが取ってくれたから・・・」

夕闇が少しずつ濃くなってゆく。

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