イタル~another day~
「チサちゃん?」
とちょっと聞いたことないような優しい声で玲ちゃんが訊く。

え?
と言って知沙はじっと玲ちゃんを見つめる。

「変わらずにかわいいねえ」
と玲ちゃん。


「・・・レ、イ、ちゃん?」

え?
今度は俺が驚く。
知ってるのか?

「嬉しい!覚えててくれたんだ?」

玲ちゃんがはしゃいでいる。

「ごめんなさい。どういう人かは全然・・・。なんとなく小さい頃に会ったことがあるような気がして・・・」

知沙はちょっとずつちょっとずつ俺の陰に隠れるように動く。

「俺の"いとこ"。玲子おば・・・」

"おばさん"と言おうとしたのに、
玲ちゃんにキッと睨まれたので言い直す。

「・・・玲ちゃん」

「あなたたちがちょうどあのコたちくらいの時に・・・」
と言って金魚掬いをしているコたちを見ながら、

「・・・ここのお祭にも連れてきたこともあるのよ」

と玲ちゃんは言った。

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