イタル~another day~
「ずりぃ~ぞ、イタル」
"ぃ"がひっくり返りながら進が文句を言う。
「たまにはいいじゃん?」
手にもった"室内用ラジコンヘリ"の箱を進に見せびらかす。
俺は残り2球も連続ストライクで、ターキー賞をゲット。珍しく自分の為に景品を選んだのだった。
「ずりぃ~ぞ、イタル」
玲ちゃんが、進の真似をして拗ねている。
「あれ?なんか欲しかった?」
と言うと、
「いらね~よ。別に」
とふて腐れているので、
次にやったダーツでは、
俺も進も景品は玲ちゃんに進呈した。
15センチ角のバニティミラーと、
ボールペンを貰って
玲ちゃんの機嫌はなおっていた。
どちらにもキャラクターがプリントされていたが、
また知らないものだった。
受験勉強を始めてから、テレビをあまり見なくなったが、
勉強と
バイクと、
そして知沙からのメールで
今の自分は事足りていた。