イタル~another day~
視線をそらさずにいると、

「おもしろい。坊主、名前は?」

坊主と呼ばれるほど歳が離れているようには見えなかった。

「奈良至」

「!・・・そうか。わかったよ。この道で何か言われたら沼沢の名前を出せ」

左手を振ると、後の二人がバイクにまたがり、もと来た方へ疾走り出した。

「今日はこの車を追ってきて良かったよ」
と言い沼沢もゆっくり自分のバイクに戻り、疾走り去った。
「総太さん、すみませんでした」

「・・・道は誰のものでもない、か」

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