イタル~another day~
前方を白いものが横切る。

暗幕の隙間から出て、暗幕の隙間に消えて行っているのだ。

わかっていても少しドキリとする。

何度か白いものが横切った後、もう少しで出口になる。

懸命に準備したが、たいしたことなかったな・・・

と思った瞬間、

「キャー」
と言って彼女が抱き着いてきた。

振り返ると、
白いシーツを被った男が、
顔に下から懐中電灯の光を当てて立っていた。

ビクっとしたが、
ジュンだった。

「脅かすなよ」

と言うと、

「ばーか。脅かしてんだよ」
と言われた。

< 202 / 461 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop