イタル~another day~
着替えて出ていくと、集合の声がかかった。

"元"監督の数学教師の前に整列する。

「もう一度こんな日が来るとは思っていなかった」

思い返すように上を見上げる数学教師。

「名ばかりの監督だったばかりに、君達には何もしてやれなかった」

整列した選手の顔を順に見る。

「それは、今も変わらん・・・。だが、もう一度胸にマークを付けたユニフォームが着たくなったら、その時はまた協力する・・・」

マークの着いたユニフォーム。

同好会ではなく、
学校の名と名誉を
背負う野球部として着るユニフォーム。

俺は、それに袖を通すことになるだろうか?

「・・・だが、今日は同好会としての練習試合だ。みんなで野球を楽しもう」

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