イタル~another day~
「今から少し時間あるか?」
総太さんが真面目な顔で訊く。

「ほんの10分くらいだ」

腕時計を見る。
朝メシ抜けば学校には間に合うか?

「はい。大丈夫です」

「そうか。善は急げだ。後ろ乗れ」

バイクで行くのか?

「総太さん。すみません。俺、バイクの後ろって乗ったことなくて」

「まあ、自分も運転出来るんだから問題ねえと思うけど・・・。そうだな、力抜いて自分が荷物になったつもりになってくれ」

「はい」
返事して、総太さんの後ろに乗り

荷物
荷物
荷物
荷物
荷物

と頭の中で呪文のように荷物荷物ととなえていた。

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