イタル~another day~
「中古販売に値段なんてあってないようなもんだ。買ってやってもいいんだが、バイクってのは自分で買うもんだ。どっちか好きな方、10万にしてやる。しかも分割だ」

買ってやってもいい

って、総太さんにそんなことされる謂れはない。

"普通のバイク欲しいんですよね~"なんて軽い調子で言ってたが、今は無性に欲しくなっていた。

「こっちにします」

"20"のタンクに手を置いて言った。

「よし、わかった」

そしてまだ向こうにいるおっさんに
「おやじさん、そういうことでいいかい?」
と大声で言うと

ほんとに"商談"の内容が聞こえてたのかあやしかったが、
「おう」と手を挙げている。

シゲルはまだなにかわめいていたが、何を言ってるのかわからなかった。

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