イタル~another day~
ホレ

と言って鍵を渡された。

「もう、お前のもんだ。支払いは毎月の給料から引いておくから」

え?

「エンジンかけてみろよ」
シゲルが自分のことでもないのにワクワクした顔で言う。
給料から引く?

気になったが
まずはバイクだ。

バイクにまたがる。

鍵穴に鍵をさす。

ハンドルをにぎってみた。

初めてなのに何故かしっくりくる。

「早くしろよ」
シゲルが焦れる。

「そんなの買う前にやれよ」
シゲルの言う通りだ。

総太さんは、ただ見守っている。

イグニッションをONに。

セルスターターを押す。

キュルル
ウォン!!

エンジンが一発で始動。

鉄の塊に命が吹き込まれた。

< 52 / 461 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop