イタル~another day~
キュルルル
と隣で総太さんがエンジンをかける。

「ちょっと待っとけ」

エンジンをかけたまま総太さんは、奥の事務所へ向かった。

「ならっち、お前、ずるいぞ」
シゲルが絡む。

「そんなことより、総太さんてここで何してんの?」

「なんだよ。そんなことも知んないの?」

知らない。

てか、総太さんのこと全然知らない。

だけど、

こんな話も普通なら
騙されるんじゃないだろうかと
疑ってかかるべきなんだろうけど、

不思議とそんな気にならなかった。

「総太さんは、おれの前にここでバイトしてたの。だからおれの先輩。へへ」

へへ?

「だから~、おやっさんとも仲いい」

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