イタル~another day~
「おまえ、本当にセーショーに来ないのかよ」と進。

"セーショー"とは、春から進が通う"清正美商船(セイショウビショウセン)高等学校"のことだ。
地元では単に"セーショー"と呼ぶ。

"セーショー"の"ショー"が"正"なのか"商"なのかは誰も気にしていない。

「今さら何言ってんだよ。3週間後には入学式だぞ?」

「そうだけどさー」

"そうだけどさー"

"う"のところで声をひっくり返しながら進がむくれている。

「一緒に全国大会にまた行けると思ってたのによー」


俺が地元の高校を選ばなかったことを、
進はまだ怒っている。

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