イタル~another day~
ファーストの守備についた俺は、そんな富樫君を感心してながめていた。

実際たいしたものだ。

まず、
キャッチャーとしても充分うまかった。
彼は間違いなく経験者だろう。

センター
ショート
セカンド
にある程度うまい奴を配置した。

これだけで
なんとかみっともない試合はしないで済む。

チームとして形になったということだ。

でも、ここまでなら
まあ当たり前と言えなくもない。

実際勝ち進んでいたチームは似たような構成だ。

噂では決勝戦の相手
2年E組には"元"野球部員が3人もいるという。

だから、
富樫君のすごいのはそんなところじゃない。

その出来る奴ら"以外"を盛り上げて
クラスを一丸にしたことだ。
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