イタル~another day~
キャッチャーマスクをかぶって座る富樫君に、
バッターボックスへ入る2年生が何かささやいている。

「やるじゃないか」
と口が動いたように見えた。

ふん、富樫君の凄さがわかるのか?

自分も今日までたいして知らなかったくせに思う。

実際、今日一日で自分のクラスにどんな奴がいるのかだいぶわかった気がした。

優等生だとひとくくりにしてしまって、個々の人間を見ていなかった。

その点、富樫君は良く見ていた。
個々の特徴をとらえてチームをまとめてきた。

審判員がプレイの声をかける。

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