イタル~another day~
翌日が終業式だった。

クラスは打ち解けた雰囲気だ。

通知表も受け取った。

けっこういい成績だと思う。

帰ろうとしたところでジュンにつかまった。

屋上へ誘われた。

フェンス越しに昨日の戦場、

校庭を見下ろす。

「イタル、中学で県大会優勝投手だったんだってね?」

なんで?

「沼沢先輩に聞いたよ」

「どゆこと?」

「野球部で、県下の強い中学生をリストアップしてたんだって」

「それで?」

「やっぱり有名な投手だったじゃん」

ジュンの顔を見つめる。
何が言いたいんだろうか?


「なんで野球やめたのか聞いていいかな?」

進と似たようなことを言う。

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