イタル~another day~
だけど、違っていたのは

なんでなんだよ

という怒りをぶつけてきた進に対し、

聞いていいかな?

と言ってきたジュンの訊き方だろうか?

そのせいか、口を開いていた。

「うち、金ないからセイショー行けなくてね」

「県大会優勝投手なら特待生で行けたんじゃないの?」

「それはもっとない」

「どうして?」

ジュンが細かく訊くから、誰にも話したことのないことまで話し始めていた。

「ここがリストアップしてくれてたのはありがたいけど、セイショーのスカウトの目には入らなかったんだ」

「え?」

「試合は見に来てたみたいだ。うちからはスス・・・キャッチャーの中田進がスカウトされてセイショーへ行ったよ。俺には声がかからなかった」

「そうなんだ?」

「高校で全国を狙うほどの力は俺にはないってことだ」

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