3人は学校の人気者
なんで山炭が俺を恨んでるのかいまだに分からない。
俺は山炭に何もしていないし、悪いことをした覚えもない。
いや、もしかしたらしていたかもしれねーけど、俺はとにかく覚えがない。
チラッと山炭が俺を見るから俺も山炭を見る。
つか、なんも話さねーのかよ…。
「山炭?」
「鈴宮くん君はいいよね、何もかも全部もってて…地位もお金も勉強も運動も彼女さえも…」
こいつ…何言ってんだ?
地位?金?彼女?
「何言ってんだ?訳わかんねーよ」
「ねぇ、オレ、君が羨ましいんだ…。何もかも持っている君がね…。優しい親がいる君が…」
「はっ…。俺なんか羨ましく思わなくていい…。俺に近づいてくる奴らなんてたかがしれてる金持ちなんて、俺は嫌だね」
金持ちなんか…俺は嫌いだ…。
親が優しい?んなの上辺だけだ…。
実際は何もしてくれない、相手にもしてくれない。
だから必死になって勉強して一位になって、スポーツだって頑張った。
だけど、それでも相手にしてくれなかった。
俺は…なんのために生まれてきたんだよ…。
鳴海がいなくなって、小学校の四年生から考え始めた。
だけど、今は鳴海がいる。
だから、俺は生きていいんだって思えるようになった。