3人は学校の人気者


「鳴海ちゃん、焦っちゃダメだよ?思いだすのはゆっくりでいいから…」


零くんは優しく私の肩に触れて私をベッドに寝かせた。


「とりあえず、今はゆっくりしといてね」


なんだかみんな心配してるみたい…。


でも、思い出さなきゃいけないのに…。


魁くんがいて、瑠衣くんがいて、零くんがいた。


みんな私と話してるみたいだったな…。


なんのことを話してたんだろう…。


「なるちゃん、思いだしたくなかったら思いださなくていいんだよ?」


魁くんが私の顔を覗き込む。


「うん…」


ダメなんだよ、思い出さなきゃ…。


どうして、思いだせないの?


「零、これ以上はダメだ、オレ見てられないよ!!」


「ダメだよ、鳴海ちゃんが自分から思いだしたいって思わないと、それがたとえ嫌なことでもね…」


嫌な…こと…。


ズキッ!!


いたっ…。


頭が痛い…。


どうして…。


「分かった…。オレ学校戻るね?」


「僕もそうするよ、後は鳴海ちゃんのお母さんにしてもらってね?」


「んじゃ俺も…」


やだ…3人とも行っちゃう…。


行かないで…。一緒にいて…。おいてかないで…。






















一人にしないで!!



< 82 / 121 >

この作品をシェア

pagetop