3人は学校の人気者
私はとっさに零くんの服を掴んだ。
「鳴海ちゃん?」
私の目から涙が流れる。
ただそばにいてほしい…。
それだけじゃ引き止めちゃダメかな?
「行か…ないで…」
一人にしないで…。
嫌なの…。あの頃みたいに一人になるのは…。
笑えなかったあの頃に戻りたくない…。
私には記憶がない幼稚園から小学校にあがる前の記憶。
お父さんのこともお母さんのことも一切のことを忘れていた。
今は普通に接しているけどまだどこかで他人だと思ってる…。
「鳴海ちゃん、大丈夫だよちゃんと僕たちはここにいる」
優しく私の手を両手で包んでくれる零くん。
「ちが…私…怖くて…」
言葉が出てこない…。
嫌なの…。笑えなくなるのも…一人になるのも…。
誰も知らないところにいたくないの…。
「なるちゃん、大丈夫だよ怖い事なんて一つもないから」
「どこにも行かねーから、ずっとそばにいてやるお前が望むまでいる」
瑠衣くんの言葉も魁くんの言葉も安心する…。
私は零くんに手を握られながら目を閉じた。