暴走ゲーム
「メールの通りだよ。コイツの噂は全部ウソだ」
「でもそれが嘘だったら~?」
「んなわけねえ・・・」
「絶対違う!」
晴也の言葉を遮って言い張った。
「・・でもよ~・・・」
「じゃあ何?君のアドレスがどんどん他のひとに洩らされてもいいの?」
「うっ・・・」
「菜摘、ナイス」
晴也が耳元で呟いた。
「・・分かったよ・・。変えればいーんだろ・・・」
「ただし、立華の連中に言ったらあかんぞ」
「へいへい~」
「それから他の奴らにも言っといて。洩らされたくなかったら今すぐアドレスを変えろってな」
「あいよ~」
他のクラスのひとは自分の教室へ帰って行った。
「これでもうバラされる心配はねえだろ?」
「ありがと、晴也」
「いーよ、気にするな」
その噂が流れたのは、受験シーズンが終わった頃・・・。
卒業に向けて、始まった頃だった・・・。