暴走ゲーム
『菜摘の大切なものって何?』
いつか交わしたメールのやり取り。
『なんで?』
『気になるから』
『気にしなくていいし。つうかないし』
めんどくさいあたし。
『ないわけないやろ?教えてよ』
『はー。まじめんどいんですけど~』
『お願い。教えて?』
『クラスのみんな』
『そっかぁ』
『傷つけたらまじ許さないから』
『分かってるって』
そのメールを頭の中をよぎる。
クラス全体を見渡す。
みんなの笑顔は・・失いたくない・・・。
「・・菜摘・・?どうしたの・・・?」
「だって・・・」
嗚咽が混じる。
言葉が見つからない・・・。
嘘は言えない・・・。
「俺らは大丈夫。絶対死なないから。なあ?」
「おう!当たり前だ!」
「もちろん!大丈夫だよ!」